美貌の皇妃・エリザベートの魂を救ったスイーツとは?

2:エリザベートが愛したスイーツたち

① ザッハートルテ
エリザベートはチョコレートが大好きだったそう。スミレ、ラズベリー、トリュフなどを高級なビターチョコでくるんだお菓子をよく口にしていたとか。
そして、チョコレート菓子の中で、特にお気に入りだったのが、ウィーン名物として有名なチョコレートケーキ「ザッハートルテ」!
ザッハートルテを考案したことで知られる「ホテルザッハー」には、頻繁に王宮から注文が入っていたとか…。
注文して王宮で楽しむだけでは飽き足らず、エリザベート自身がお忍びで「ホテルザッハー」のカフェを訪れ、ザッハートルテを楽しんでいた・・・という逸話も残されているほどのお気に入りだったようですよ。

最近では、皇室御用達の称号を持つ菓子店「デメル」のザッハートルテも有名です。
「デメル」のザッハートルテは、チョコレートスポンジの周りにアプリコットジャムを塗って、その上からミルクチョコレートでコーティングしたもの。

ふわふわなチョコスポンジが、フルーティーなジャムを吸ってしっとりとしてていて、とっても食べやすいです。
さらに、スポンジをコーティングしているチョコレートがまた、絶品!
しっかりケーキをコーティングしているのに、とろけるようになめらかな口当たりのチョコレートなんです!一口ずつ、じっくり味わいたくなっちゃうような幸せ気分を与えてくれるケーキです。
「デメル」のザッハートルテは、日本のデパートやオンラインショップで販売されていますので、チョコレート好きの皆様!ぜひぜひ、食べてみてくださいね。
「デメル」オンラインショップ>https://demel.co.jp/productcat/torte/
②スミレの砂糖漬け

エリザベートのもう一つの「お気に入りスイーツ」・スミレの花の砂糖漬けも、エリザベートゆかりのウィーン土産として有名です。
エリザベートは、お茶菓子として砂糖漬けをそのまま口にしたり、アイスクリームやゼリーに添えたり、飲み物に入れたりしていたそうですよ。
そのまま食べてみると、ほんのりと甘く、濃厚なスミレの花の香りが口の中一杯に広がります。さらに、砂糖漬けを口の中に入れて紅茶を飲むと、おしゃれな「バイオレットティー」に早変わり・・・。
ただし、紅茶に直接入れると、なぜか緑色に変色してしまって、青汁みたいになってしまうようなので、ご注意を・・・。(^_^;)
お酒が好きな方には、「シシィ風シャンパン」もおすすめ!
砂糖漬けをシャンパンに入れると、シャンパンがスミレ色に染まり、グラスに口を近づけると、スミレの香りがふわーっと鼻先に漂ってきて、何とも贅沢な気分になれるカクテルになりますよ♪

(日本では販売なし)
「デメル」のものは、国内デパートやアマゾン・楽天などネットショップで購入できます。
③スミレのアイスクリーム・シャーベット

スミレが咲く季節には、スミレのシャーベットやアイスクリームが王室の菓子部門で作られていました。
スミレの花びらを濾してジュースを作り、砂糖を加えて煮詰め、シャーベットに仕上げていました。とにかく大量の花が必要になるので、スミレの季節にしか作れない贅沢なスイーツだったそうですよ。

左手にアイスクリーム製造機があり、クリームを冷却しながらかき混ぜている様子が分かります。
私は、当時のレシピを再現したスミレのアイスクリームを食べてみたことがあるのですが、以外とミルクとの相性が良く、びっくりしました♪
スミレの香りがミルクでまろやかになって、なんだかホッとするような、とっても優しい味でしたよ。
スミレのアイスは、残念ながら、日本ではなかなかお目にはかかれないのですが、市販のバニラアイスに砂糖漬けを混ぜ合わせれば、再現できます!見た目も華やかなので、お客様にお出ししても、喜ばれそうですね♪
④ハンガリーのドボス・トルテ

ウィーンの宮廷を嫌ったエリザベートが好んで滞在していたのが、ハプスブルク家が統治していたハンガリーの首都ブタペストでした。エリザベートもウィーンにいる時よりも一層、足取りも軽やかに町中のカフェに繰り出していたようです。
中でもお気に入りだったのが、老舗カフェの「ジェルボー」。
娘のギーゼラ皇女や女官長と一緒に、よくケーキを食べにやってきたそう。お店の記録によると、孫たちにもお菓子をたくさん買って帰っていたそうですよ♪

ジェルボーは今でも観光客に大人気のカフェ!
まるで宮殿の応接室にいるかのような、華やかでエレガントなインテリアの店内でとびきり美味しい、手の込んだケーキを楽しめます♪

エリザベートがここでよく食べていたのが、この店発祥の「ドボス・トルテ」。実は、エリザベートの「一番のお気に入りのケーキ」だったそうですよ!
このケーキは、ジェルボーの店主が国内の博覧会に出すために、特別に考案したもので、博覧会の場で皇帝夫妻が初めて口にしたと言われています。
ドボス・トルテは、ごく薄いスポンジとチョコレートバタークリームを何層にも積み重ねて、一番上の層をカラメルで固く塗り固めたケーキ。
私もウィーンでドボス・トルテをいただいたのですが、ケーキの上に塗ってあるカラメルの板が固いこと、固いこと…!
そのままではどうやっても割れず、店員さんに食べ方を聞くと、「食べる前にカラメル層だけ取り外して、少しずつ割ってケーキに乗せて食べる」のが正解…なのだそうです。
カラメルを外して食べても、チョコレートバターケーキとして楽しめますし、カラメルを乗せて食べると、ほろ苦い甘さが加わって味わいが変わるので、二つの味が楽しめる不思議なケーキでした。
この記事へのコメントはありません。