人づきあいの達人・皇后ジョセフィーヌに学ぶ「あたたかい人間関係をつくるための7つの秘訣」

皇帝ナポレオンの最愛の恋女房、ジョセフィーヌ皇后。
実は、ナポレオンの大出世を裏で支えていたのは、ジョセフィーヌの「人望と人脈」だったと言われています。
彼女は、相手がどんな身分の人であっても、また、どんな立場の人であっても、あたたかい人間関係を作ることができる・・・という素晴らしい特技を持っていました。
ナポレオンに敵対する勢力の人であっても、ジョセフィーヌと接するうちに、たちまち味方に変えてしまうほどの「人間関係の達人」だった、とも伝えられています。
実際に、皇后・ジョセフィーヌは、貴族たちにはもちろん、国民からもとても人気があり、ナポレオンの人気アップにも貢献していました。
ところが、後年、ナポレオンは政治上の理由でジョセフィーヌと離婚してしまいます。そして、その後は部下の裏切りや離反が相次ぎ、転がり落ちるように皇帝の座を失ってしまいました。ジョセフィーヌが作り上げていたあたたかい人間関係や広い人脈が失われてしまったことが、ナポレオンの凋落にも深く関係している・・・と言われているんですよ。
ナポレオンの運命を左右するほどだったジョセフィーヌの「人間関係構築力」。数々の逸話を元に、ジョセフィーヌ流・あたたかい人間関係を作る秘訣について、紐解きます。
① 言葉や振る舞い、表情に思いやりと優しさを込める

ジョセフィーヌは、どんなに疲れている時でも、嫌な顔一つ見せずに、笑顔で穏やかに相手に接していたそう。何時間も続く謁見や公式行事でも、一人一人にあたたかく微笑みながら、やさしい言葉をかけ続けていました。
そして、ジョセフィーヌに謁見した人は、「自分こそが、皇后に一番、大切にされたに違いない!」と、とてもとても喜んだ・・・と伝えられています。
どんなに素晴らしい言葉をかけたとしても、声の調子や表情、振る舞いに心がこもっていないと、相手を喜ばせることはできませんし、まして、感動させることはできないでしょう。
ジョセフィーヌは、声の出し方や話し方、どのようなしぐさで気持ちを伝えるかなど、自分の見せ方や気持ちの伝え方について、研究し尽くしていたとも言われています。
いつも、相手の気持ちをおもんばかり、相手の喜ぶ顔を見るのが大好きだったジョセフィーヌらしいエピソードです。
②誰とでも分け隔てなく、対等に接する

ジョセフィーヌは、皇后という高い地位についてからも、相手の身分に関わらず、どんな相手に対しても、あたたかく接していました。
自分よりも、はるかに身分の低い召使いや兵士、出入り商人とも、気さくにおしゃべりを楽しんでいたと言われています。
あるとき、侍従に命令を伝えに行くのに、人の手を煩わせては悪いから・・・と、自ら部屋を移動して、侍従に命令を伝えに行ったことがあったそう。
当時は、皇后自ら、召使いや臣下の元に出向くことなど、あってはならない前代未聞の出来事・・・驚いた侍従に「皇后様がそのようなことをしてはいけません!」とがめられると、
「私は長年、普通の女として暮らして参りました。時には仲介なしに命令を伝えることくらい、許して下さいね」と答えたとか・・・。
高い地位に昇ったとしても、相手を思いやることのできる感性を持っていたジョセフィーヌの人柄がよく分かるエピソードですね。
彼女が、貴族階級の人たちだけでなく、召使いや兵隊など、一般の市民からも、とても愛されたというのも、納得です。
③「ありのままの相手」を受け入れて、じっくりと話を聴く

ジョセフィーヌの最大の長所とも言われているのが、素晴らしい「聞き上手」だったこと。
穏やかでやさしい笑顔を浮かべながら、ゆっくりと相づちをうって、じっくりと相手の話を聞いていたそうです。
ナポレオンも、はじめてジョセフィーヌの家を訪れた際に、仕事のこと、家族のこと、故郷のこと、夢のこと・・・などなど、一人で何時間も夢中になって話し続けたと言われています。
ジョセフィーヌが、あまりに気持ちよく話させてくれるので、ナポレオンは話を聴いてもらいたくて、毎日のように通い詰め、すっかりジョセフィーヌの虜になってしまったとか。
ジョセフィーヌは、どちらかというと控えめなタイプで、相手を責めたり、やり込めたり、話の腰を折るような人ではありませんでした。きっと、相手は心から安心して、思うままにお話しすることができたのでしょうね。
相手の話を、否定せずにありのまま受け入れ、話したいことを好きなだけ話させてあげることができる・・・簡単に聞こえますが、実際は意識して、「相手の話をジャッジせずに聞こう」としていないと、とても難しいことですよね。
ジョセフィーヌは、そんな「究極の聞き上手」の高等テクニックを持っている女性でもあったようです。
④自分から心を開き、心と心でつながる意識を持つ

宮廷の晩餐会やサロンを取り仕切っていたジョセフィーヌ。
夫である皇帝ナポレオンと敵対する王党派の人たちや、後にナポレオンを追放した敵国の皇帝に対しても、ジョセフィーヌは古くからの友人と同じように、「大切なお客様」として接していました。
どんなにナポレオンと敵対していた人物でも、ジョセフィーヌのサロンで大切にもてなされて、楽しいひとときを過ごすことができたことに、すっかり感激して、リピーターになる人が続出したそうですよ。
そんなジョセフィーヌが作り出す、サロンや宮廷の雰囲気は、堅苦しさはみじんもなく、とても人間的であたたかいものでした。
ジョセフィーヌ自身が、裏表がなく、誰にでも心を開いて、あたたかく接する人だったので、自然とそこに集う人たちの空気も和気あいあいとしたあたたかいものになっていったようです。
ほんの数年前までは、会えば殺し合いが起きかねないくらいに憎み合っていた王党派と旧革命派の人たちが、ジョセフィーヌのサロンでは仲良く並んで談笑していた・・・なんてこともあったそう。
身分や立場を超えて、一人の人間としてお互いに心を開いてつながろうとする・・・そんなジョセフィーヌのあり方が周りの人たちにも広がって、あたたかい人間関係が広がっていったのかもしれませんね。一人の人の素敵なあり方が、周りの人間関係も素敵に変えていったという、素晴らしい見本だと思います。
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